2015年5月27日水曜日

知的能力開発・育成プログラム「Jr.スポーツコンディショニングプログラム~トレーニングの原理・原則~」

 5月23日(土)アクシオン福岡にて、大音樹氏、中川博文氏 (医療法人 清家渉クリニック)を講師にお招きし、Jr.対象の「スポーツコンディショニング~トレーニングの原理・原則~」の講義が行われた。
 はじめに、中川氏から、トレーニングの目的と、3つの原理・5つの原則について紹介していただいた。

○トレーニングをなぜ行うのか

1.競技力向上のため
2.ケガの予防のため・・・コンタクトスポーツ等の衝撃の対応。
3.心理的影響への期待・・・「これだけやったんだ」という自身に繋がる。

○過負荷の原理

自分の持っている能力以上の負荷をかけることで、トレーニング効果が現れる。
 例)タイヤやチューブを使用して負荷をかける、休憩を短くする、セット数を増やす等。
   ※負荷が強すぎると身体を痛めてしまう。 

○特異性の原理

トレーニングはその種類によって鍛えられる機能が変わる。
 

○可逆性の原理

トレーニングによって得られた効果は、トレーニングを止めてしまうと、元に戻ってしまう。
   ※疲労がとれ、次のトレーニングを始めるのに適した時期を知る。

1.全面性の原則

身体機能は様々な要素があるため、全てをバランスよく鍛えることが必要。
  例)サッカー選手は敏捷性を鍛えることも必要であるが、長時間のゲームに耐える持久性を鍛えることも必要。

2.自覚性の原則

トレーニングメニューをただこなすだけでなく、目的を理解する。
  例)腹筋をするとき、鍛えたい部位であるお腹を叩いて行うなど、刺激を与えて意識させる。

3.漸進性の原則

運動負荷は発達に合わせて段階的に増加させる。

4.個別性の原則

個人の年齢・性別・体力水準・怪我の有無などに応じて、指導者と相談の上、プログラムを決める。  

5.反復性の原則

トレーニング効果は、運動刺激が反復して身体に与えられることにより表れる。
 一夜漬けでの勉強は意味がないように、継続することが大事。


 後半では、大音氏により、トレーニング前後の筋肉の状態や、身体のケアの方法について詳しく教えていただいた。
 筋肉痛とは、筋肉の繊維が損傷し、内出血が起こる。その出血はおおよそ48時間で止まり、回復した筋肉の繊維は強くなる、これが超回復である。

○トレーニング後の手入れのポイント

・トレーニング終了後、痛みを感じるところを15~20分ぐらい氷で冷やす。
   (出血を抑えるためおよび筋肉・関節の温度を下げるため)
・お風呂やカイロで温める。
   (疼痛物質を除去するためおよび血流によって栄養を運ぶため)
 ※歩けないくらい痛い筋肉痛の場合は、おおよそ48時間ぐらい(内出血が起きている間)は温めない方が良い。

 一流の選手は、トレーニングの原理・原則を理解しており、正しい方法のトレーニングをコツコツ行っている。そして日頃の小さな筋肉痛でさえケアをする。受講生も、このようなことを当たり前にできる選手になってほしい。