2021年10月27日水曜日

指導と気づかい

 先週のレスリングのプログラムで、少しの時間、受講生に混ざって参加するだけで息が上がってしまい、体力の低下を思い知らされました。指導をする前に、自身にも厳しくしなければと反省し、少しずつ体力を戻していくことを決心しました。

 私は高校の部活動のコーチとしても指導を行っています。指導の中で日々学ぶこと、教わることが多くありますが、競技者としての“教わる立場”から指導者としての“教える立場”になったことによる、新たな気づきや発見が多くあります。

 部活動の指導の中で、「教えたことがなぜ、うまく伝わらないのだろう」ということがあります。これは自身の指導で、改善していかなければならない点です。しかし、“教える立場”からの一方的なアプローチでは上手くいかないとも感じています。同じ練習の指導をしても、練習の意図やポイントとなることをくみ取って考えてできる生徒と、やる気はあるが、ただがむしゃらに全力で行う生徒では目に見えて成長の差があります。自身の経験としても、競技を始めたての頃は、練習を繰り返す分、タイムやできる回数、技術も向上していきました。しかし、ある程度のレベルまで行くと、コーチの言っていることをやっているけど上手くいかない、頑張っているのに上手くならないといった日々が続きました。そのような日々の中である日、コーチが説明の中で、同じことを何回も繰り返していることに気が付きました。多くは考えず、そこだけに気を付けてシンプルにやってみると案外上手くコツがつかめて、次のメニューでもその前のメニューを活かして納得のいく練習ができました。そこから、練習の意図ポイントメニューのつながりを深く考えるようになってから体力や技術、成績が飛躍的に伸びました。このように、“教わる立場”の者が考えることも重要で、指導は一方的に教わるものではなく、双方的なものであることで、より効果的なものになると思います。

 練習の意図やポイントに気づくために必要なことは、競技への熱意や知識だけではないと思います。「指導者は何を考えているのか」「何を目的にこのメニューを作ったのか」など、指導者の考えや気持ちを読み取る力が大切です。これは、普段の生活の気づかいに通じる部分があると考えます。普段の生活の中で相手の考えや気持ちを読み取ることと、指導者の言葉の中にあるポイントを正確に読み取ることは、どちらも相手を思いやる、気づかいができるかどうかが大切になります。“大事な場面で、いつもの自分が出てくる”ということを考えて、普段の行動や考え方を見直してみると、競技にも良い影響をもたらすかもしれません。

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