大会当日までの期間、代表メンバーの全員が、自身の競技とタグラグビーのトレーニングを両立させ、数少ない合同練習の中で新しい戦術を学び自己の能力を高めていった。1つのチームの中で、1つのボールに集中し、最後の1秒まで全力を尽くした姿は、まさに福岡Kids代表にふさわしい姿であった。
そんな素晴らしい代表メンバーであったが、1つだけ課題を感じた部分がある。それは、代表メンバーの多くが「真のスポーツマン」になれていなかったという点である。「真のスポーツマン」とは、全ての結果に対し謙虚で、スポーツマンシップ精神(相手・審判・ルールを尊重する心)を兼ね備えたアスリート」のことである。
代表メンバーが試合中に見せた、自分たちが思ったとおりにプレイできないことで見せる不満の態度や対戦相手、審判に対するあいさつには、感謝の心やスポーツマンシップの精神は感じられなかった。これは、世界を目指す「真のスポーツマン」にはほど遠い姿であったように感じる。
真のスポーツマンになるということは、あるがままを受け入れ、そこから自分との戦いに克ち、成長し、自らに磨きをかけ続ける選手になるということである。
ある人の言葉にこのような言葉がある。
「追い詰められた時こそ、人間の本性が出る」
思い通りにならないときや負けたときこそ自分自身を大きく成長させる最大のチャンスなのである。
今回のサントリーカップに限らず、普段の大会で自分が追い詰められた時、どのような振る舞いをしているだろうか。もし、不満そうな態度やスポーツマンシップ精神を感じられない言動をしているのであれば、もう一度「真のスポーツマン」とは何か考えていくことが必要だろう。
世界で活躍する真のスポーツマン、トップアスリートを目指し、一回り、二回りも成長したタレント生、そしてアスリートとしての姿を期待している。