2016年11月30日水曜日

『経験』

「ナイスショット!!」

 これは、思わずスタッフの口から出てきた言葉です。11月26日に九州国際テニス場でKids5年のテニスプログラムが行われ、ライン際のボールをバックハンドで鮮やかに打ち返す受講生がいました。彼のラケット操作の技術には目を見張るものがありました。

 彼の名は、Kids5年の大藤康介くんです。プログラム後、私は彼を呼び、このように尋ねました。

「なぜ、あのショットが打てたのか?」

 すると彼は、こう答えました。

「習っていた卓球の経験をテニスに活かすことができました」と。

 私は、「なるほど!」と思いました。彼は、卓球の経験からラケット面の向きを考えボールを打つこと、ボールをどの位置でとらえればよいかを考えテニスに繋げたのです。これは、培った経験が生きている証拠です。

 例えばサッカーのヘディングでは、誰よりも高い打点まで身体を持っていくことができれば相手に負けることはないでしょう。しかし、それだけでなくボールの軌道を正しく認識し、着地点まで移動するといった「空間認知」が必要となります。これは、野球のフライを取るという動作と似ています。野球のフライはまさに空間認知なしでは成立しないため、小さい頃からこの動作の経験を積んでいる人は自然と体に植え付けられており、サッカーのヘディングへと動作を繋げることができるのです。

 ただ、このような能力は大人になってからではなかなか身に付かないと言われています。だからこそ、毎週行われているプログラムで経験できていることを、どのように日頃の活動に活かしていくかが重要となるのです。さらに言えば、特別プログラムに積極的に参加することで、通常プログラムでは経験できないさらに多くのことを学ぶ良い機会になると考えています。今回紹介した大藤くんも、自転車競技の特別プログラムにも積極的に参加し、多くの経験とトレーニングに励んでいます。彼が、今後どのように成長していくか非常に楽しみにしています。

 今この時期に多くの経験を積むことが、皆さんの今後の競技人生に大きな厚みをもたせることは間違いでしょう。このブログが何かいいきっかけとなれば幸いです。

事務局スタッフ 馬渡

Kids5年 大藤康介くん   ダブルスの試合風景(室内コート)