2016年7月20日水曜日

進化し続ける秘密=「チェックすること(分析力)」    ~ オリンピアン武田大作選手の話を通して ~

「落ち込むことはマイナスではない。なぜ、落ち込んでいるか原因を探せば、それはプラスになる。落ち込む時こそ自分が伸びるチャンスである。」
 
 日本におけるボート競技の第一人者として、1996年のアトランタ五輪から2012年のロンドン五輪まで5大会連続出場し、シドニー五輪、アテネ五輪では軽量級ダブルスカルにおいて、日本史上最高位の6位入賞を果たした武田大作選手。今回、この武田選手を講師に招き知的能力開発・育成プログラム「オリンピアン講話」を実施した。
 まず、武田選手の話しぶりを見ていて一番に感じたことは、武田選手が持つ“明るさ”である。私たちが想像できないほどの厳しいトレーニングや過酷な環境の中でも、常に前向きに歩み続けてこられた強さの秘密がこの“明るさ”ではないかと感じた。
 武田選手は、日々のトレーニングや試合の中で常々「なぜ?どうして?どうすればいいのか?」というチェックを大事にしているという。
「強くなっているだろう?上手くなっているだろう?はダメです。具体的に自分自身がどうなっているのかを目に見える形にする(可視化)ことが大事なんです。自分の成長が具体的に目に見えると、それがモチベーションとなって苦しいことも継続できるんですよ。」
 まさにこれが、極限まで自分自身を追い込み鍛え抜きながら進化し続ける武田選手の秘密であろう。武田選手がボート競技を始めたきっかけも、自分の強みである持久力を活かし、オリンピックに出場することができる競技は何かという自己分析することがスタートだったという話もあった。
 武田選手と同じ志を持つ受講生たち。君たちの“強み”は?君たちに“今必要なこと”は?どうすれば今持っている“能力を最大限に伸ばす”ことができるだろうか?
 今回のプログラムを受け、多くの受講生が自身を分析することの重要性を学ぶことができたのではないだろうか。これからのアスリートライフの中で、武田選手と同じように自分自身を常にチェックし、進化し続けるアスリートとなってくれることを期待している。