運がいい、運が悪いにはそれなりに理由や過程がありますが、野球で例えれば、「テキサスヒット」と呼ばれるヒットがそれにあたります。正確には、「テキサス・リーガーズ・ヒット」と言うのですが、いわゆるポテン・ヒットのことで、フラフラと力なく上がった打球が内野手の頭を超え、外野手の手前でポトリと落ちるヒットのことです。テキサス出身の選手がよく打っていたからとか、かつてあったマイナーリーグであるテキサスリーグでよく見られたからなど諸説あります。
多くの人はそれを見て、「ラッキーだな」、「ついてるな」と思うかもしれませんが、本当は違います。こういうヒットが打てるのは、決して運がいいからではなく、打球が良いところに飛んだり、転がったりするのは、日々の練習できちんとした打撃フォームで打っているからであって、たまたまバットの芯から少し外れたところに当たっているものです。しかも、普段からきっちり振り切っているからこそ、そういう結果になるのであって悪いフォームで打ったらそうはなりません。
この話を聞いても、運が良かったからだろうと思う人もいるかもしれませんが、その運を呼び込めるかどうかは、選手次第だと思います。それができる選手は、テキサスヒットの後でも、結果オーライで済ませることがなく、なぜこうなったのか?と常に分析し、考える。一方で、運を呼び込めない選手は、その結果に対して運がなかったから仕方ない。で済ませてしまいます。結果だけを見れば、運がいい、運が悪いということかもしれませんが、そこに至るまでのプロセスには大きな違いがあります。
自分は運が悪いと嘆いたり、今回は運がなかったと済ませてしまう人は多いですが、細かく突き詰めていけば、運が良い、運が悪いには必ずと言っていいほど理由や過程があります。その意味では運も実力のうちであり、自らが努力して捕まえるものなのではないでしょうか。これは、仕事やスポーツ、何に置き換えても同じであり、きちんとした分析やコツコツと練習を積み重ねることで運が呼び込め、結果や成果につなげることができると思います。