ゴールデンエイジという言葉を知っていますか?
子どもの成長を考えるとき、「ゴールデンエイジ」という年代はとても大切な時期と言えます。ゴールデンエイジとは、主に小学生にあたる年齢の子どもたちを指し、いわゆる運動神経が著しく成長する時期のことをいいます。運動神経という神経はありませんが、「すばしっこさ」や「動きがいい」といった能力を、俗に運動神経と表現します。
ゴールデンエイジには、3歳から8歳頃までの「プレゴールデンエイジ」、9歳から12歳頃の「ゴールデンエイジ」、13歳から15歳頃までの「ポストゴールデンエイジ」と分類する考え方があります。
「プレゴールデンエイジ」 …さまざまなことに興味を持つが持続しない
のが特徴であり、遊びを通してさまざまな
動きを経験させるのが有効。
「ゴールデンエイジ」 …この時期には初めて行う動作でも、見本を
見ただけでできてしまうようなことがあ
り、それを「即座の習得」という。
この時期は、特定の運動に取り組むことで
スキルを高めることや、幅広くさまざまな
種目に取り組むことで運動能力をさらに伸
ばすことができる。
「ポストゴールデンエイジ」 …骨格や筋肉の著しい発達が見られ、スピー
ドやパワーが備わってくる。また、個人差
の大きい時期でもある。
【 図1 】
この時期は、コーディネーショントレーニングや先週オンラインプログラムで実施したスタビリティートレーニングが効果的と言われています。
一般的に運動神経というものは、コーディネーション能力と関係しています。コーディネーション能力とは、自分の体の動きを調整する能力のことであり、鍛えることで運動に好作用をもたらします。また、「スキャモンの発達曲線」といわれるもので、どんな年代にどんな能力が発達するかを示すものがあります。(図1)それによると、神経系に次いで発達するのは、持久力、筋力とされています。ここでいう筋力とは、背骨を中心とした胴回りと骨盤周辺のお尻の筋肉を主に指します。これら体幹部の筋肉の質やバランスを向上させることで、ゴールデンエイジ期の子どもの運動能力を高めてくれます。
将来、どんな輝きを見せられるかは、この時期にコーディネーショントレーニングやスタビリティートレーニング等を日々の生活に組み込めるかが重要だと言えます。コロナ禍にあり、部活やクラブチームでの練習が制限されていますが、今回取り上げたトレーニングは自宅やちょっとした空き時間・スペースでも行うことができるものが多いです。今後の競技人生をより有意義なものにするために、ぜひ実践していきましょう。
参考文献
木場克己.(2013).子供の運動能力が高まる体幹バランストレーニング.
東京都:マキノ出版
【オンラインプログラムの様子】