2015年6月17日水曜日

知的能力開発・育成プログラム「スポーツ外傷・障害」

 6月13日(土)アクシオン福岡にて、大音樹氏、中川博文氏 (医療法人 清家渉クリニック)を講師にお招きし、Jr.対象の「スポーツコンディショニング(スポーツ外傷・障害)」講義が行われた。
 はじめに、大音氏から、スポーツ外傷、スポーツ障害の違いについて講義を受けた。
 このスポーツ外傷・スポーツ障害2つを総称してスポーツ傷害という。

スポーツ外傷とは?

一般的に運動中に一度の力で起こる急性の損傷(ケガ)。
 例:打撲・捻挫・肉離れなど
スポーツ外傷については初期治療が重要であり、外傷は毛細血管が損傷することにより内出血がおこる。出血が続くと腫れが起こり、神経を刺激し痛みとなる為、早期の止血が重要になってくる。
そのために、RICE療法が重要である。

RICE療法とは?

◯Rest(安静)
出血を最小限にとどめる為に、患部を安静に保つ。
◯Icing(冷却)
外傷によって損傷した部分の止血をするため、できるだけ氷で冷やす。
◯Compression(圧迫)
外傷によって起こる出血を止めるため、圧迫包帯等で患部を圧迫する。
◯Elevation(拳上)
出血後、腫れを悪化させないため、患部を心臓より高い位置にする。
この頭文字をとってRICE療法という。
冷却については20分を目安に行うと効果的であり、長時間冷却すると凍傷の危険性もあるため本人の感覚がとても大切と説明を受けた。もし、足をひねった場合には病院に行くまでの時間に氷で患部を冷却することが重要になってくる。

スポーツ障害とは?

繰り返し同じ動作を行い慢性的な損傷の事。
 例:疲労骨折・野球肘障害・テニス肘障害など
こういった障害の起こるメカニズムとして、上手く体幹を使えないことで無駄な動きが増えるため、痛みがでる事が挙げられた。予防する為には、まず体の構造を知る事が必要であり、体幹を鍛える事が重要である。
 今回は、肩・下肢の筋力のチェックの方法、障害予防のトレーニングの実践を行った。以下には肩の痛みを予防するためのチェック方法やストレッチを紹介する。

◯両肩の筋力をチェックする方法(力の入り具合)①
A:検査する人
B:検査される人
AはBの肘と手首を持ち、Bの肘を曲げる方向に押す。Bはそれを同じ力で押し返す(伸ばそうとする)。
◯左右の肩の筋力のチェックの方法(力の入り具合)②
Bは二の腕をつかむように腕を組む。
AはBの肘を押す。Bはそれを押し返そうとふんばる。
左、右それぞれふんばれるかチェックする。
 ※上記①②のチェックどちらも該当したら、完全に左右の肩の筋力に差があると言える。
◯肩の高さのバランスチェック

AはBの肩の高さにどれくらい差があるかチェックする。
◯左右の肩のバランスをととのえるためのストレッチ

横向きに寝た状態で、脇は締める。
腕を90度の状態で、やじるし(→)の方向に振る。これを約30回行う。
※ペットボトルを持って行うとより効果的。


 最後に大音氏より、痛めたところを正しくケアする方法や自分の体をチェックする方法を知っていることはアスリートにとって大切なこと、そして、上記のような、自己チェックや体幹トレーニング、肩関節を支える筋力を鍛えるトレーニング等を習慣的に行う事も重要であること、また、うちわを仰ぐ動作や拭き掃除など、日常生活の中でも効果を得ることができることを教えていただいた。
 前回のスポーツコンディショニングで学んだ筋肉等のメカニズムの知識と今回の講義実践をリンクさせパフォーマンスの向上に活かしてほしい。